離散化手法による時空のダイナミクスの研究
数値計算と理論の両方の立場から4次元超対称ゲージ理論の非摂動構造を調べ、AdS/CFT対応を用いて量子重力理論に知見を得る
プロジェクト内容については,当該年度の活動報告書をご覧ください.
目的
現在、時空のダイナミクスを記述する基礎理論は一般相対性理論だが、その量子化は未解決の問題である。その解決方法の候補の一つに、いわゆる「ゲージ/重力対応」がある。それによると、ある種の超対称ゲージ理論は重力理論と双対関係にあり、超対称ゲージ理論が時空の量子論的な記述になっていることを示唆している。本プロジェクトは、本来無限自由度を持つ超対称ゲージ理論を離散系の連続極限として定義し、理論とコンピュータによる数値シミュレーションの両面からこの双対性を検証することを目的としている。
内容
数値シミュレーションを行うモデルとして、任意の単体分割上の2次元超対称ゲージ理論が完成したが、理論的な研究が進み、この模型にはフェルミオンにゼロモードが生じることが明らかになった。2022年度は、この問題を解決し、数値計算によって連続極限での挙動を明らかにすることを目指す。