ゴキブリ類の比較発生学的研究のための化学的手法の検討

昆虫比較発生学の基盤となる、昆虫の安定的な飼育・繁殖法、ならびに昆虫卵の定常的確保、また、固定・観察法の確立のための化学的手法の改良や検討を行う。

プロジェクト内容については,当該年度の活動報告書をご覧ください.

  • メンバー :
    藤田 麻里(代表)
  • プロジェクト期間:
    2023年度プロジェクト [ 2023年度〜2023年度 ]

目的

昆虫類は最大級の多様性を誇る生物グループであり、農業や医療健康の実用面や防除という面で大きな関心が向けられてきた。特に衛生害虫であるゴキブリ類は人間との関わりが強く注目すべき昆虫群である。生物に関する基礎科学的理解は、応用研究の発展につながる大事な礎であるが、進化を考える上で比較発生学的アプローチは有効な方法の一つである。一方、昆虫比較発生学において、卵の定常的な確保のための昆虫の安定的な飼育・繁殖法と、卵の固定・観察法の確立は必要不可欠であり、そのための化学的手法の改良や検討が重要である。以上の背景より、本研究ではゴキブリ類を材料に、比較発生学的研究のための化学的手法の検討・基盤構築を目的とする。

内容

本プロジェクトでは、「飼育法」、「採卵法」、「観察法」の3点について検討する。
飼育法においては、昆虫の集合や生殖を誘導するフェロモンを利用した、天然物科学的な視点から効率的な飼育法を検討する。採卵においては、ゴキブリ類特有の卵の保護殻である「卵鞘」の解剖および卵の分離作業が必要となることから、解剖学・化学の両面からの観察と分析を行い、有効な採卵方法の検討を進める。そして、得られた卵の最適な化学固定法の探索を行い、最終的には卵や胚形態の細部にわたる高解像度観察法の確立を目指す。
上記手法の検証には、ゴキブリ類と最も近縁とされるシロアリ類も検討対象に含める。

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