シリカ系乾燥剤の高耐久化に関する研究

多孔性シリカの乾燥剤を用いた高性能乾燥システムの構築を目指し,再生時の温度変化による劣化を防ぐことができるシリカ系材料の合成を行う.

プロジェクト内容については,当該年度の活動報告書をご覧ください.

  • メンバー :
    岡本 昌樹(代表)
  • プロジェクト期間:
    2021年度プロジェクト [ 2021年度〜継続中 ]

目的

シリカゲルを含む多孔質のシリカは乾燥剤として広く用いられているが,再利用時に加熱による水の脱離を行う再生操作を繰り返すと,水の吸着性能が劣化する.特に少量の乾燥剤を用いて大量の水を取り除く場合には,何回も吸着,加熱再生のサイクルを繰り返す必要がある.その結果,急激な温度変化がおこることによって多孔性が低下し,水の吸着量が減少する.本研究プロジェクトでは,加熱,冷却を繰り返しても高い乾燥性能を維持できる多孔性シリカ吸着剤の開発を目指す.

内容

シリカゲルは乾燥剤として広く用いられている.シリカゲルを再利用するためには,吸着した水を取り除く必要があるため,高温で再生処理を行わなければならない.しかし,シリカ骨格は,水蒸気存在下で高温にさらされると,シロキサン結合(Si-O-Si)の再配列が起こり,構造が変化する.特に,高性能なシリカ系乾燥剤を用いた場合,多くは細孔を有する多孔質材料であるため,構造変化により細孔がなくなり,水の吸着量は激減する.
これまでに,申請者はメソ孔を有するシリカ(メソポーラスシリカ)の細孔壁を,ジルコニウムやチタンの酸化物の薄膜でコーティングすることに成功している.酸化ジルコニウムや酸化チタンは,耐塩基性を有し,また耐熱性も高い.シリカにこれらの酸化物を加えると高温水蒸気存在下におけるシリカの強度を向上させることが期待できる.しかし,メソポーラスシリカの細孔径が3 nm以下では,均一な薄膜が形成されず,酸化ジルコニウムや酸化チタンの粒子が細孔を防いでしまうという結果を得ている.乾燥剤として用いる場合,低い湿度でも吸着するためには細孔径は小さいほうが望ましい.
本研究プロジェクトでは,細孔径が小さいシリカ材料の細孔表面に,少量のジルコニウムやチタンなどの元素を導入する方法を開発し,吸着特性と耐久性を調べる.

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