物理学におけるリサージェンス理論の探求とその応用

このプロジェクトでは、摂動論と非摂動効果を関連付ける理論であるリサージェンス理論への理解を深め、物理学における「リノーマロン問題」などへの応用へ向けた研究を行う。

プロジェクト内容については,当該年度の活動報告書をご覧ください.

本プロジェクトは終了しました

目的

このプロジェクトでは、物理学におけるリサージェンス理論への理解を深め、「場の量子論におけるリノーマロン問題」という長年の問題の解決を目指し、これまでにない新たな非摂動的解析の手法を得ることを目指す。

内容

このプロジェクトでは「リサージェンス理論におけるリノーマロン問題の解決」に焦点を当てた研究を行う計画をしている。リサージェンス理論は発散する摂動級数と非摂動的な鞍点解の対応を議論するものであるが、QCDや非線形シグマ模型などの漸近的自由な理論においては「リ ノーマロン型の発散」と呼ばれる対応する鞍点解が知られていない特別な型の発散が存在している。仮にリノーマロンに対応する鞍点解が存在しなければ、それはリサージェンス理論の破綻、更には場の理論の摂動論の根本的な欠陥を意味するため、対応する鞍点解の存在の正否は重要な問題である。これがいわゆるリノーマロン問題と呼ばれる問題であり、長年の間未解決であった。 そのような中でArgyres-Unsalによってバイオンと呼ばれる新しい型の解が対応する鞍点解ではないかという予想がなされた。我々の研究では、その予想の正否を確認し、リノーマロン問題の解決を目標としている。特に「局所化の方法」を適用して、リノーマ ロン問題を解決し、非摂動物理の解明に取り組んでいく。

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