水生昆虫・土壌動物の分類学的研究及びその成果の教材化

分類学的研究が遅れている水生昆虫・土壌動物の研究を、新種記載も含めて行う。環境破壊がこれらのファウナに及ぼす影響を考察し、環境教育に於ける教材化を目指す。

プロジェクト内容については,当該年度の活動報告書をご覧ください.

目的

分類学的研究は有害・有益生物や大型美麗種に偏りがちである。しかし、健全な生態系を構築する動物の9割方は小型で目立たず、人畜に対して直接的には害も益も無い。これらの小動物相の解明無くして自然の実態解明は不可能であり、中でも水生昆虫・土壌動物は新種の宝庫と言われるほど未解明な部分が多い。本研究はこの分野に注力し、基礎的分類・応用(環境との関連)・教材化(学校や博物館に於ける環境教育)等を目的とする。

内容

水生昆虫の中でも特に未解明部分が多いのは流水性のそれらで、主に蜉蝣目(カゲロウ類)、襀翅目(カワゲラ類)、毛翅目(トビケラ類)、双翅目(ガガンボ、ユスリカ、ブユ等)の、何れも幼虫である(蛹になるものはそれも含む)。河川での幼虫・蛹採集、羽化トラップやネットスィーピングによる成虫採集を行い、また博物館や大学の所蔵標本の貸与を受ける。そして主に関東地方の平野部及び丘陵地帯のファウナを明らかにし、新種を確認すれば記載する。
 土壌動物は微小な昆虫類、ダニ類、クモ類、多足類、甲殻類、軟体動物、環形動物、線形動物など多岐に渡り、これらを主にツルグレン装置により採集する。そこから先は上記の水生昆虫に記載の方法論と共通である。
 どちらの動物相に関しても、水質汚染や土壌汚染(またはその回復)との関連は可能な限り考察する。
これら一連の研究により、高等学校における「生物の多様性と生態系」及び「生物の系統と進化」に関する教材開発に資するとともに、環境教育としての教材化が期待できる。

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