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グラフゼータ関数を用いた時空の基本的相互作用の探究

ユニタリー行列を付加したグラフゼータ関数は、格子ゲージ理論の強力な解析ツールになりえる。本研究では、この視点用いてゲージ理論の新たな解析手法を開発する。

目的

グラフ上に定義されたグラフゼータ関数(伊原ゼータ関数とその拡張)は、グラフ上のサイクルの生成母関数であり、様々な数理科学の分野で重要な役割を果たしている。
最近、申請者たちの研究によって、ユニタリー行列を重みとして付加することで、グラフゼータ関数がグラフ上のWilsonループを数える関数として拡張され、従来の格子ゲージ理論を含む、グラフ上のゲージ理論を解析するための強力なツールになることが明らかになった。
本研究は、この知見を発展させ、未だほとんど手つかずになっている、グラフゼータ関数を応用した、ゲージ理論、および、その関連分野の新たな解析手法を開発することを目的とする。

内容

これまでの研究の大きな成果として、グラフゼータ関数で記述されるゲージ理論(FKM模型)が普遍的にGWW相転移を起こすことが明らかになったが、相転移の次数やその位置、起こり得る相転移の回数など、まだ不明な点が残っている。そこで我々は、比較的小規模なグラフ上でFKM模型の数値計算を実行し、FKM模型が持つ相構造を明らかにすることを最初の目標に設定する。具体的には、厳密な振る舞いがわかっている単純なグラフを用いてチェックを繰り返しながら信頼できる数値計算コードを作成し、内部エネルギーや比熱を測定することで、非自明なグラフ上のFKM模型の相構造を明らかにする予定である。また、このプロセスの中で、数学的にもその性質が整理されていない、ユニタリー行列によって拡張されたグラフゼータ関数の特性そのものも明らかにしたいと考えている。

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