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バイオセラミックスの原子レベルの構造と機能の発現

様々なバイオセラミックスにおいて原子レベルの構造を分光学的な方法を用いて精密に評価し、それらが発現する機能・物性との関連に関して、信頼性の高いデータを得る。

目的

本研究プロジェクトは、初年度においては「水酸アパタイトのOH 欠陥と同型イオン置換に伴う構造変化と生体親和性の発現」を取り扱う。代表者の井奥は種々のリン酸カルシウム系バイオセラミックスを作製し生体親和性を評価してきたが、原子レベルでのキャラクタリゼーションが課題として残されている。メンバーの藤森は中性子回折実験により歯や骨の主成分である水酸アパタイトの電気伝導性のメカニズムを解明し、学協会から注目されている。そこでこの成果を基に共同して、水酸アパタイトの欠陥・同型イオン置換に伴う原子レベルの構造変化と生体親和性、そして電気伝導性が虫歯に与える影響を解明する。これらが明らかになれば、再生医療や虫歯治療の分野に、新たな画期的視点を与えられると期待される。

内容

上記のようにプロジェクトメンバーは、水酸アパタイトの高温中性子回折測定により、アパタイト中における電気伝導(イオン伝導)のメカニズムにプロトン(水素イオン)が関与していることを実験的に明らかにした。そこで本申請プロジェクトでは、代表者がOH 欠陥量の低濃度から80%以上導入されたoxy‐hydroxyapatite を、更にはCa サイトに同型イオンを置換した水酸アパタイトを合成し、メンバーがその原子レベルの構造を評価し、あわせて電気伝導度の測定も行う。既往の研究では、欠損量や同型イオンの置換量を全く評価することなく物性評価のみが行われている。所望の置換イオンを合成出発原料に仕込んだとしても、それらの全てがCa に置換する保証はない。このような研究スタイルでは、発現した機能が何に起因するものなのか、その評価ができていないのが現状である。そこで、それらの問題を解決するために、我々が得意としているラマン散乱、固体NMR、X線回折データのリートベルト解析を用いて原子レベルの構造評価を行う。X線回折は、重原子からなる結晶構造のメインフレームに関する情報を与えるものであるが、その一方で欠陥などの長距離的な周期構造が乱れた系、あるいは重原子と共存する酸素、水素などの軽原子の挙動を研究する手段としては不適当であるため、これらの手法も相補的に用いて研究を進める。これらの研究において最大限の成果を上げるために、精密分光分析の専門家である山口大学の藤森宏高准教授を研究プロジェクトメンバーとして共同で研究を行うことが必要である。

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