インスリンの腸壁透過の促進因子に関する研究
糖尿病の治療として一般的であるインスリン注射を経口薬とするための基礎研究として,インスリンの腸壁透過の促進因子に関して検討することを目的とする.
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- メンバー :
- 久保田 真理(代表)
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- プロジェクト期間:
- 2024年度プロジェクト [ 2024年度〜継続中 ]
目的
糖尿病の治療として一般的であるインスリン注射を経口薬とするための基礎研究として,インスリンの腸壁透過の促進因子に関して検討することを目的とする.
内容
糖尿病の治療としては,インスリン注射が一般的である.この方法は,患者にとって苦痛をともなうほか,同じ場所に針を刺し続けることで,その場所の皮下脂肪が肥大したり,硬くなったりすることで,インスリンボールが発生してしまうこともあり,デメリットが多い.さらに,使用済みの注射針は感染性の廃棄物であり,患者の負担以外に,廃棄物を取り扱う人への危険性,廃棄物としての環境への負荷などのデメリットもある.そこで,インスリンを注射ではなく,経口薬とする開発を行う.現在,認可されている経口薬のバイオアベイラビリティ(BA)は約1%であり, 経口GLP1作動薬セマグルチドの皮下注射剤の89%と桁違いに効率が悪い.我々は,効率のよい経口薬の開発を目指す.
本研究は,そのための基礎研究であり,インスリンの腸壁透過の促進因子に関して検討する.
促進因子について検討することで,経口薬開発へのステップとなり,上記のデメリット改善が期待される.