ゼータ関数・テータ関数・楕円関数の挙動解明:数論・幾何学・物理学における発現と展開
本研究代表者はこれまで,主として解析的整数論の立場から,種々のゼータ関数・テータ関数の漸近的挙動の解明を,解析的整数論固有の手法や,様々な特殊関数,特に超幾何関数の性質を援用しながら推進してきた.ゼータ関数・テータ関数の漸近的挙動の解明は,古くは Riemann の著名な1958年の論文に深淵し,以降,Hadamard, de Valee-Poussin, Weierstrass, Hardy, Littlewood, Ramanujan, Titchmarsh らを通して,解析的整数論における多様な理論の源泉ともなる枢要な研究テーマであったが,近年この方面での成果が,微分幾何学や量子力学においても様々な形で有効・有意義な知見や視点をもたらすことが明らかになりつつある.本研究では,これまでの研究代表者の手になる研究を解析的整数論の視座からなお一層深化・拡大・進展させるのみならず,幾何学や数理物理学に造詣の深い協力研究者らの参加を仰ぎ,多方面の視座から,ゼータ関数・テータ関数・楕円関数の漸近的挙動の解明に係わる周辺諸課題についての問題意識の醸成を図るとともに,その更なる拡大と深化を目指す.
プロジェクト内容については,当該年度の活動報告書をご覧ください.