• 現在のページは HOME
  • イベント
  • 自然科学研究教育センター講演会 第44回 のページです。

自然科学研究教育センター講演会 第44回 終了

中胚葉と内胚葉運命を分離する機構の解析
2018.12.03
  • 日時 :
    2018年12月03日(月)16:30〜18:00
    13:00~16:35
  • 会場 :
    日吉キャンパス 来往舎2階 中会議室
  • 主催 :
    慶應義塾大学 自然科学研究教育センター
  • 講師 :
    高鳥直士 氏
    首都大学東京 大学院理学研究科 生命科学専攻 准教授
  • 参加費 :
    無料(申込不要;慶應義塾大学関係者および一般の方の参加を歓迎します)
  • 対象 :
    学生・教職員・一般

このイベントは終了しました

講演要旨

 発生生物学は,たった一個の細胞である受精卵を成体へと変える機構を,入念な観察により導かれた仮説の検証により理解する,という19世紀の発生生物学者,Wilhelm Rouxの決意から始まった。私は受精卵から多様な細胞が作られる過程に興味を持ち,その初期段階である中胚葉と内胚葉という2種類の細胞が作られる過程をホヤ胚で調べている。ホヤでは中内胚葉細胞という細胞が分裂して中胚葉細胞と内胚葉細胞を生じる。中内胚葉細胞が作られてから分裂するまでの過程をRouxにならい丹念に観察し,二つの娘細胞が互いに異なる発生運命を獲得するまでの因果関係を探った。これまでの研究の結果,中内胚葉細胞の細胞核が将来中胚葉細胞になる側に移動して Not遺伝子を転写することで, NotmRNAを細胞の一端に運び, NotmRNAが細胞分裂により中胚葉細胞に受け継がれることで中胚葉運命と内胚葉運命が分離されることがわかった。核が移動するまでに至る因果関係を,時間を遡って調べた結果,細胞核はPI3Kと呼ばれる膜タンパク質が局在している領域に向かって動いていることがわかった。PI3Kが局在するまでの過程を受精まで遡って解析した。これにより得られた,発生開始から中胚葉運命と内胚葉運命の分離に至るまでの過程を理解する枠組みを紹介する。

プロフィール

高鳥直士 氏
高鳥直士 氏
首都大学東京 大学院理学研究科 生命科学専攻 准教授
学歴:理学博士(京都大学)。
専門領域:発生生物学。
研究内容:中胚葉・内胚葉運命分離に関わる遺伝子制御機構,細胞生物学的機構の解析。

センター主催のシンポジウム・講演会について

当センターの活動の一環として、シンポジウム・講演会を年3〜4回程度開催しています。その目的は、多分野にまたがる自然科学の相互理解を深め、研究の推進と教育の質の向上を図ることにあります。参加費は無料です。特に指定のない場合、聴講の対象に制限はなく、事前申込は不要です。ただし、取材の場合は事前に許可を取って下さい。

天災・交通事情など予期せぬ事態により変更・中止となる場合がございます。
その場合、本ウェブサイトで告知しますので、事前にご確認下さい。

問合せ先:慶應義塾大学 自然科学研究教育センター 事務局 (日吉キャンパス来往舎内)
〒223-8521 横浜市港北区日吉 4-1-1
Tel: 045-566-1111(直通) 045-563-1111(代表) 内線 33016
office@sci.keo.ac.jp

Page Top