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自然科学研究教育センター講演会 第43回 終了

渋滞のサイエンスと渋滞解消法
2018.10.25
  • 日時 :
    2018年10月25日(木)16:30〜18:00
    16:30~18:00
  • 会場 :
    日吉キャンパス 来往舎 1階シンポジウムスペース
  • 主催 :
    慶應義塾大学 自然科学研究教育センター
  • 講師 :
    西成活裕 氏
    東京大学先端科学技術研究センター 教授
  • 参加費 :
    無料(申込不要)
  • 対象 :
    学生・教職員・一般

このイベントは終了しました

講演要旨

 私たちの社会活動には,必ず人やモノの移動が伴います。この移動が停滞すると,大きな社会的損失につながりますが,例えば車が渋滞することで,その経済損失は年間12兆円にもなります。また物流が滞ると経済活動がストップしてしまいますし,人も極度に混雑すると,命の危険にさらされることもあります。さらに渋滞はバスやエレベーターでも発生し,また工場での生産ラインで在庫がたまるのも渋滞といえるでしょう。こうした移動における渋滞現象を,分野を超えて数理科学の力で解決方法を考える学問が,私が25年間取り組んできた「渋滞学」です。
 渋滞緩和で特に重要な考え方が,「急がば回れ」です。例えば車間距離を適切にとることで高速道路での渋滞が緩和されます。さらには群集を安全に誘導する際にも,間を空けて低密度を維持した方がよりスムースな流れを維持できるのです。工場の生産でも,あえて機械の稼働率を少し下げた方が生産効率が良くなることも分かっています。
 講演では渋滞学の基礎になる数理や,実際に行った渋滞解消実験について,さまざまな映像を交えて紹介いたします。また,未来の交通として自動運転が現在研究されていますが,それは渋滞緩和にもつながります。そのための研究の現状や課題についても議論したいと思います。

プロフィール

西成活裕 氏
西成活裕 氏
東京大学先端科学技術研究センター 教授
1967年東京都生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了,博士(工学)の学位を取得。その後,山形大,龍谷大,ドイツのケルン大学理論物理学研究所を経て,現在は東京大学先端科学技術研究センター教授。ムダどり学会会長,ムジコロジ―研究所所長などを併任。専門は数理物理学。様々な渋滞を分野横断的に研究する「渋滞学」を提唱し,著書「渋滞学」(新潮選書)は講談社科学出版賞などを受賞。2010年内閣府イノベーション国際共同研究座長,文部科学省「科学技術への顕著な貢献 2013」に選出される。日本テレビ「世界一受けたい授業」に多数回出演するなど,多くのテレビ,ラジオ,新聞などのメディアでも活躍している。

センター主催のシンポジウム・講演会について

当センターの活動の一環として、シンポジウム・講演会を年3〜4回程度開催しています。その目的は、多分野にまたがる自然科学の相互理解を深め、研究の推進と教育の質の向上を図ることにあります。参加費は無料です。特に指定のない場合、聴講の対象に制限はなく、事前申込は不要です。ただし、取材の場合は事前に許可を取って下さい。

天災・交通事情など予期せぬ事態により変更・中止となる場合がございます。
その場合、本ウェブサイトで告知しますので、事前にご確認下さい。

問合せ先:慶應義塾大学 自然科学研究教育センター 事務局 (日吉キャンパス来往舎内)
〒223-8521 横浜市港北区日吉 4-1-1
office@sci.keo.ac.jp

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