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自然科学研究教育センター講演会 第53回
(2024年度若手研究者賞受賞講演)

固体材料の『構造』を自在に操る:刺激による結晶構造のその場制御
2025.01.09
  • 日時 :
    2025年03月10日(月)13:00〜14:30
  • 会場 :
    日吉キャンパス 来往舎1階 シンポジウムスペース
  • 主催 :
    慶應義塾大学 自然科学研究教育センター
  • 講師 :
    杉山 晴紀 氏
    総合科学研究機構中性子産業利用推進センター 研究員
  • 参加費 :
    無料( 事前申込必要 、当日参加受付も可 )
    申込期間:1/27 (月) 10時より
  • 対象 :
    学生・教職員・一般

講演要旨

私たちの豊かな生活は様々な材料(医薬品、建材、半導体)に支えられています。実は、ほとんどの材料は結晶とよばれる物質であり、原子や分子が周期的に秩序だって並んだ固体です。材料の性能は、構成する原子や分子の種類だけでなく、その配列にも大きく依存します。一方で、結晶は安定な固体であり、結晶状態を保ったまま分子配列に変化を与え、材料の性能を切り替えることは非常に困難でした。
本研究では、光を当てると色が変わるフォトクロミック結晶を用い、加熱や蒸気暴露という外部刺激を利用した結晶の構造と物性のコントロールに成功しました。サリチリデンアニリンアンモニウム塩(SA)の有機結晶は、結晶中に含まれる分子の形状が非平面の場合に、光による色変化を示すことが知られています。私は、アンモニア水蒸気への暴露や加熱刺激によるアンモニア分子の吸脱着を利用して、結晶中の分子の平面性を変化させ、SAの光応答性を切り替えることに成功しました。
現在アンモニアはエネルギー源や水素運搬用分子として注目されています。アンモニア分子の吸脱着を利用して構造と物性を制御できることから、アンモニアセンサーなどの産業利用を含めた様々な分野でのSAの利用へ展開できます。
また本発表では、現在所属している大強度陽子加速器施設(J-PARC)について、中性子ビームを利用した実験の様子、研究にどのように活かされるかなど、簡単に紹介いたします。

申込方法

フォーム https://forms.gle/L2JK1LkNJp8rmSNm6からお申し込みください。

プロフィール

杉山 晴紀 氏
杉山 晴紀 氏
総合科学研究機構中性子産業利用推進センター 研究員
[略歴]
2015年~2018年 東京工業大学大学院 理工学研究科 物質科学専攻 博士課程
(2018年 博士(理学)取得 指導教員:東京工業大学 植草秀裕 准教授)
2018年~2021年 慶應義塾大学文学部化学教室・助教(有期)
慶應義塾大学自然科学研究教育センター・センター所員
2021年~2023年 自然科学研究機構・分子科学研究所・助教
2023年~ 一般財団法人 総合科学研究機構(CROSS) 中性子産業利用推進センター・研究員
[専門]
結晶化学、X線回折学、中性子科学
[研究内容]
X線、中性子、電子など複数の量子ビームを使い分けながら、結晶の構造に迫る研究を推進しています。

センター主催のシンポジウム・講演会について

当センターの活動の一環として、シンポジウム・講演会を年3〜4回程度開催しています。その目的は、多分野にまたがる自然科学の相互理解を深め、研究の推進と教育の質の向上を図ることにあります。参加費は無料です。特に指定のない場合、聴講の対象に制限はなく、事前申込は不要です。ただし、取材の場合は事前に許可を取って下さい。

天災・交通事情など予期せぬ事態により変更・中止となる場合がございます。
その場合、本ウェブサイトで告知しますので、事前にご確認下さい。

問合せ先:慶應義塾大学 自然科学研究教育センター 事務局 (日吉キャンパス来往舎内)
〒223-8521 横浜市港北区日吉 4-1-1
office@sci.keio.ac.jp

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