自然科学研究教育センター講演会 第54回 終了
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- 日時 :
- 2025年07月10日(木)16:30〜18:00
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- 会場 :
- 日吉キャンパス 来往舎 2階大会議室
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- 主催 :
- 慶應義塾大学 自然科学研究教育センター
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- 講師 :
- 永久保 利紀 氏
筑波大学 生命環境系/高等研究院 助教
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- 参加費 :
- 無料(
参加申込必要
、当日会場で参加受付も可)
申込期間:6/9 (月) 10時より
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- 対象 :
- 学生・教職員・一般
このイベントは終了しました
講演要旨
この世界には、目に見えないほど小さな生物(微生物)が無数に存在しています。地下深くから上空高くに至るまで、地球上で微生物が存在しない場所はほとんどありません。微生物は、私たち動物などに比べてきわめて単純な形態の生物ですが、極端な環境下でも生存できるように短期間で進化する、驚異的な適応能力を備えています。その適応能力により微生物は何十億年もの間この地球上で繁栄し続けており、今この瞬間にも進化を続けています。全ての生物が微生物と互いに深く関わり合いながら生きており、人類の歴史は微生物との歴史でもあります。発酵食品や酒類の発明、感染症の流行など、微生物との関わりはその時々で人類の社会や文化に大きな影響を与えてきました。
この講演では、「微生物とはなにか」を知るための基本的な知識をわかりやすく紹介します。その後で、私たちの身近なところにいる微生物の驚くべき生きざまを概説し、彼らが私たちの日々の暮らしにどのように関わっているのかを、具体的な例を交えて見ていきます。さらに、微生物たちがいかにして動物、植物、ウイルスと関わり合っているのかを、微生物研究の最前線の知見を交えて探っていきます。最後には、さまざまな微生物の力を活かして地球規模の環境問題や健康問題を解決しようとする取り組みについても紹介します。この講演を通して、目には見えない微生物の豊かな世界を旅する手助けができれば幸いです。
申込方法
参加申込フォーム
https://forms.gle/okwKzzi9MhN6j8ZQ6
からお申込みください。※6/9 (月) 10時~申込開始
プロフィール

2018年 筑波大学大学院 生命環境科学研究科 生物機能科学専攻 修了 博士(農学)
2020-2020年 筑波大学 生命環境系 研究員(JST ERATO野村集団微生物制御プロジェクト研究員)
2020-2021年 東京大学 農学生命科学研究科 特別研究員(日本学術振興会特別研究員(PD))
2021年-現在 筑波大学 生命環境系 助教
2025年-現在 筑波大学 高等研究院 自発研究ユニット 助教
専門領域:
微生物学、生化学、分子生物学
研究内容:
土壌等の自然環境に生息する微生物が作る酵素、小胞、ウイルス様ナノマシン等の探索と解析
代表的な業績:
・Contractile injection systems facilitate sporogenic differentiation of Streptomyces davawensis through the action of a phage tapemeasure protein-related effector.
Toshiki Nagakubo, Tatsuya Nishiyama, Tatsuya Yamamoto, Nobuhiko Nomura, Masanori Toyofuku
Nature Communications 15:4442 (2024)
https://doi.org/10.1038/s41467-024-48834-9
・Mycolic-acid containing bacteria trigger distinct types of membrane vesicles through different routes.
Toshiki Nagakubo, Yuhei O Tahara, Makoto Miyata, Nobuhiko Nomura, Masanori Toyofuku
iScience 24:102015 (2021)
https://doi.org/10.1016/j.isci.2020.102015
・Copper amine oxidases catalyze the oxidative deamination and hydrolysis of cyclic imines.
Toshiki Nagakubo, Takuto Kumano, Takehiro Ohta, Yoshiteru Hashimoto, Michihiko Kobayashi
Nature Communications 10:413 (2019)
https://doi.org/10.1038/s41467-018-08280-w
センター主催のシンポジウム・講演会について
当センターの活動の一環として、シンポジウム・講演会を年3〜4回程度開催しています。その目的は、多分野にまたがる自然科学の相互理解を深め、研究の推進と教育の質の向上を図ることにあります。参加費は無料です。特に指定のない場合、聴講の対象に制限はなく、事前申込は不要です。ただし、取材の場合は事前に許可を取って下さい。
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その場合、本ウェブサイトで告知しますので、事前にご確認下さい。
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