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自然科学研究教育センター講演会 第10回 終了

「イトマキヒトデの初期発生に関する化学生物学的研究」
2011.01.17
  • 日時 :
    2011年01月17日(月)16:44
    16:00~17:30
  • 会場 :
    慶應義塾大学 来往舎 シンポジウムスペース
  • 主催 :
    慶應義塾大学 自然科学研究教育センター
  • 講師 :
    池上 晋 氏
    自然科学研究教育センター訪問教授、広島大学名誉教授
  • 参加費 :
    無料 (学生の来場歓迎)
        (会場準備の都合上、塾外の方は事前申し込みをお願いします)
  • 対象 :
    学生・教職員・一般

このイベントは終了しました

講演内容

演者は沿岸海域に棲息する無脊椎動物、とくに生態系を支配する重要種、棘皮動物イトマキヒトデを研究対象としてそれらの生殖・発生過程を化学生物学的に解析してきた。本講演ではイトマキヒトデの初期胚が形態形成する過程を選択的に阻害する化学物質の作用を中心として研究の概要を紹介する。

後生動物(多細胞動物)細胞のなかで、卵と精子だけが 40 億年近い生命の歴史を宿す超時空的存在であり続けることができる。卵は精子に出会うまでは代謝が不活発だが、精子に出会うと遊離のカルシウムイオン濃度が細胞全体に高まり、これによって生命活動のスタートを切る。すみずみまで遊離カルシウムイオンの洗礼を受けた卵内ではDNA 合成の準備が進み、DNA 複製を伴う卵割を繰返す。浅海生態系を支配する棘皮動物イトマキヒトデの卵と精子が受精すると、8~9回目の卵割で胞胚期に達する。細胞数を増やしてゆく初期発生の間に、胚の定められた場所で細胞の分化の方向が決定され、無限増殖型から有限増殖型へと変化する。どの動物種でも成体のかたちは多彩だが、初期胚では種属固有の特徴が見られない。発生後期になると胚のかたちがめざましく変化し、種属固有のパターンが現れ、それが展開されてゆく。本研究で、始原生命の色濃い胚細胞が次第に種属に特有の分子を形成し、細胞を成熟させてゆく過程をあきらかにした。

プロフィール

池上 晋 氏
自然科学研究教育センター訪問教授、広島大学名誉教授
東京大学大学院農学研究科博士課程修了(農学博士)。国立がんセンター研究所研究員、広島大学大学院生物圏科学研究科教授、長浜バイオ大学教授を歴任し、広島大学名誉教授。専門は分子環境生物学、細胞生理化学、環境保全学。研究テーマは、海産無脊椎動物の初期発生に関する化学生物学的研究。
→自然科学研究教育センター 池上晋先生

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問合せ先:慶應義塾大学 自然科学研究教育センター 事務局 (日吉キャンパス来往舎内)
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