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ポスターセッション2016 終了

自然科学研究教育センター:ホットな研究たち
2016.11.26
  • 日時 :
    2016年11月26日(土)11:00〜16:15
    11:00~16:15(担当者説明 11:15~12:30)
  • 会場 :
    日吉キャンパス 来往舎1階 ギャラリー
  • 主催 :
    慶應義塾大学 自然科学研究教育センター
  • 共催 :
    Hiyoshi Research Portfolio 2016 (HRP2016)
  • 参加費 :
    無料
  • 対象 :
    学生・教職員・一般

このイベントは終了しました

ポスターセッションの形式で当センターにおける研究の一部を紹介いたします。
担当の所員がポスターの前に立ちますので自由にご質疑、ご討論ください。

このイベントは Hiyoshi Research Portfolio 2016 (HRP2016) との共催です

HRP2016 のウェブサイトは こちら

発表者(センターのメンバー紹介ページ等にリンクしています)と要旨

小畠 りか大場 茂
 「キラルな有機化合物の合成と構造の解析」

 キラルとは,右と左の区別がつくことを意味する。天然のアミノ酸はL系列にほとんど限られており,このためそれから構成される酵素のポケットが非対称となり,基質の鏡像異性体を見分けることができる。このように,化合物の生物活性は,その分子の絶対配置を含めた立体構造に大きく依存する。薬剤を開発する上で,キラルな化合物を作り分けて区別する技術は大変重要である。本研究では,軸不斉を有するビフェニル分子の新規合成法を開発し,その構造をNMR(核磁気共鳴),質量分析法,およびX線回折法で解析した。この化合物は,キラルな有機化合物を合成する上で重要な触媒の出発原料である。

Antonino Flachi (フラキ アントニーノ)
 「What is a black hole (ブラックホールの正体)」

 Amongst the many objects that populate our Universe, black holes are the most mysterious. Black Holes were predicted 100 years ago by Einstein theory of gravity, but scientists have been able to observe them only very recently. In this poster, I will explain how a black hole works, how scientists have finally been able to “see” them directly, and why this is a very important discovery that is likely to be soon celebrated with a Nobel Prize!

宮西 弘
 「魚はなぜ海で生きられるのか? ~必須な塩分調節メカニズムの追求~」

 ヒトも魚も体液の塩分組成はほぼ同じです。しかし、ほぼ塩分のない川(真水)で生きる魚は、不足する塩分を常に補給しなければならず、3%の食塩水というしょっぱい海では、塩分を出さなければ塩漬け状態です。海の魚を60 kgのヒトに換算すると、1日に約1 kgの食塩を摂取します。1日の食塩摂取量の目安が7~8 gのヒトは、海では生きられません。しかし魚は、鰓にある“塩類細胞”を使って、川では塩分を取り込み、海では塩分を排出できます。特に海で生きるためには、ヒトにはできないこの特殊な能力が必須です。この塩分調節メカニズムの研究を紹介します。

皆川 泰代、徐鳴鏑、矢田部清美、星野英一、佐藤大樹、吉村美奈、牧敦
 「6ヶ月児の前頭前野脳機能とデフォルトモードネットワーク」

 ヒトの前頭前野は様々な高次脳機能を担っているが,”注意”はその機能の一部である。注意の配分により様々な認知機能の遂行が可能になる。これまでのfMRIなどを用いた脳機能研究からデフォルトモードネットワークと呼ばれる脳機能回路が注意機構にも関係しており,デフォルトの平静状態では常に賦活があるが,外部注意に伴い活動が下がり,自己への内部注意で逆に上昇するという柔軟な機構が知られている。本研究はこの注意機構が6ヶ月乳児で機能しているかについて,fNIRS(近赤外分光法)を用いて検討した結果を報告する。

鈴木 忠
 「南極大陸のオニクマムシのすごいところ」

 昭和基地の南方に点在する露岩域からは数種類のクマムシが見つかっている。その中に、肉食性のオニクマムシの1未記載種 Milnesiumsp.が含まれる。オニクマムシの一つの肢には2本の細長い爪(第1枝)と、それぞれの根元に第2枝が生えており、第2枝の先端は一般に2つか3つに分れている。ところが昭和基地近郊のものは4~7つに分れており、世界で30種以上知られる同属の中で、こんなに爪が多いオニクマムシは、東南極でも昭和基地周辺の種のみに限られている。その興味深い形をご紹介する。

田谷 修一郎
 「錯視は視覚の〈誤り〉か? ―外界の妥当な解釈としての視覚的錯覚―」

 錯視(目の錯覚)とは,見ているものの大きさや形,色などが,実際のものとは大きく異なって知覚される現象を指します。素朴には,錯視とは私たちの見る機能がうまく働かない時に生じるもの,つまり視覚のエラー(誤り)だと思えるかもしれません。しかし実は,錯視は視覚の失敗例ではありません。むしろ,目と脳が外の世界を「正しく」見ることに成功しているために生じる現象といえるものなのです。今回のポスターでは,様々な錯視の実例を紹介しながら,それらの現象の背後にある視覚のメカニズムについて解説します。

古野 泰二
 「タンパク質を並べ、貼り付ける」

 タンパク質分子を固体基板表面に貼り付ける(固定する)技術は、タンパク素子、たとえば現在発展中のプロテインチップの基盤技術でもある。タンパク固定には種々の方法があるが、活性を維持したまま任意のタンパク質の高密度配向配列を作るユニバーサルな技術は存在しない。本研究では、空気/水の界面にタンパク分子を展開した後、シリコンウエハの表面に移し取って貼り付ける方法をもちいた。方法によっては配向した2次元結晶が得られ、また、ビオチン-アビジン結合を利用した方法では、ビオチン化した任意のタンパクの高密度配列が得られた。

杉浦健太、吉田祐貴、小野田海道、國枝武和、鈴木忠、荒川和晴、 松本 緑
 「クマムシの生殖戦略 ―雄分化の謎に挑む―」

 極限環境下での耐性が注目されるクマムシは、節足動物や線形動物と別の門である緩歩動物門に属することから、これらが含まれる脱皮動物における進化の過程を明らかにするための生物として用いられ始めている。近年ではDNAレベルでの解析を主とした分子生物学的手法が広く用いられるようになり、形態・分子双方からクマムシの研究が注目されている。私たちは生物の進化と深い関係がある発生過程や、ゲノムの混合をもたらす性決定に注目し、クマムシにおいて雌雄差のある形態形成を担う遺伝子の探索、機能解析を行っている。

三井 隆久青木 健一郎
 「光を用いた微小揺らぎの計測 ―Rb原子の量子揺らぎと、様々な表面揺らぎ―」

 原子の熱運動に伴い、木片、角膜、爪など、あらゆる物体の表面は波打っている。従来、このような微小運動を直接観測する手段は無かったが、我々は、光計測において不可避とされていた散射雑音を統計的に低減化する手法の開発に成功し、様々な熱運動の観測を行っている。アルミニウムのような金属鏡で光を反射すると、金属内部の原子の影響で反射率が揺らぐため、反射光には雑音が乗る。この雑音は金属における光の反射機構の解明に役立つ。また、Rb原子からなる気体中を光が伝搬するときに生じる雑音の計測と解析結果について説明する。

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問合せ先:慶應義塾大学 自然科学研究教育センター 事務局 (日吉キャンパス来往舎内)
〒223-8521 横浜市港北区日吉 4-1-1
Tel: 045-566-1111(直通) 045-563-1111(代表) 内線 33016
office@sci.keo.ac.jp

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