ガラスと水の中の光速度 †
この実験では、遊動顕微鏡を用いて媒質中で屈折された光による像(虚像)を観察することにより、媒質の屈折率、媒質中の光速を求める。屈折現象の効果を定量的に測定できる、興味深い実験である。
概要 †
光の速度は媒質によって変化する。そのため、ことなる媒質に光が入射したときは屈折が起こる。その性質は幾何光学によってよく理解できる。
光を厚さaの媒質に入射させ、底面から届く光を観察することを考える。このとき、入射面からみた底面の深さbは、屈折のためにaより浅く見える*1。比
は媒質2の媒質1に対する屈折率である。これを用いれば、媒質2における光速度は
と求められる。
aとbの値を測定するためには遊動顕微鏡を用いる。顕微鏡の筒はガイドにそって上下に移動できるようになっており、移動距離を目盛から読み取ることができる。屈折された虚像にピントを合わせることにより、bを決定できる。*2
媒質として、ガラスブロックと水を用いて、それぞれの屈折率を求める。
特徴 †
- 遊動顕微鏡を使って、屈折による見かけの深さの減少を測定できる。
装置 †
★詳細については、実験マニュアルを参照
実験の流れ †
★詳細については、実験マニュアルを参照
実施時の注意点 †
- 水面に粉をまくときに、一カ所に集中してまくと、厚みができてしまう。薄く蒔くのがよい。
実験結果 †
測定量 | ガラスの屈折率 |
---|---|
標本数 | 300 |
平均値 | 1.54 |
標準偏差 | 0.07 |
測定量 | 水の屈折率 |
---|---|
標本数 | 300 |
平均値 | 1.36 |
標準偏差 | 0.11 |
文献値 | 1.33*3 |
実験マニュアル †
ダウンロード: ガラスと水の中の光速度.pdf
*1 日常生活では、水のきれいな川やプールに入ったときに、実際の深さより浅く見えることで実感できる
*2 aは実際の深さだから他の方法で測定が可能だが、aの測定にも誘導顕微鏡を用いる。
*3 20℃、ナトリウムD線に対する値
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Last-modified: 2008-12-15 (月) 18:10:17 (105d)