取組の概要と事業計画 †
平成17 年8 月18 日
取組の概要 †
平成17年度特色ある教育支援プログラムで選定された「文系学生への実験を重視した自然 科学教育」は、慶應義塾大学日吉キャンパスに在籍する文系4学部(文・経済・法・商)の学生を 対象とする実験重視の自然科学教育を実践する取組である。この取組は1949年の開始時から これまで半世紀以上にわたって実践され、この間自然科学の教育を受けた多数の文系学生を世に 送り出してきた。現在文系4学部の4000名を超える全ての学生が自然科学科目を履修し、そ のうち約7割(2800名前後)が「実験を含む科目」を選択している。本取組の理念は、自然科 学の本来の意義を理解し、その思考法を体得した文系学生を育成することである。2004年度 から法学部では、自然科学等の領域を副専攻とする「副専攻認定制度」をスタートさせたが、こ れは大学教育の新しい展開を目指したものである。
平成17年度の事業計画 †
本取組の目的は、慶応義塾大学日吉キャンパスで実践している文系4学部の学生を対象とす る自然科学教育の新たな発展と、「文系学生に対する自然科学教育重視」の理念と本取組の成果を 他の大学に向けて発信することである。その目的達成のため、
- 文系学部における自然科学等の副専攻認定制度を念頭に、文系専門課程学生を対象とする自然科学教育の在り方と実施形態の検討および既存カリキュラムの展開(事業1)
- 既存の講義および実験課目の枠を超えた新しい自然科学科目の開発とその実践(事業2)
- 生物学・化学・物理学の実験を含む科目における新しい実験テーマの開発と実験マニュアルの整備(事業3)
- 本取組の成果を慶応義塾大学の外部に発信(事業4)
の4課題を柱とする補助事業を展開する。
事業の内容 †
事業の内容は以下のとおりである。
- 事業1においては、文系学部における自然科学を副専攻として認定する制度など、従来の総合教育科目としての枠を超えた自然科学教育の在り方に関する研究とその実施形態の検討 および既存カリキュラムの新たな展開を目指す事業であり、今年度はそのための研究会とア ンケート実施およびシンポジウムを開催する。次年度以降、他大学の現状に関する調査を実 施、初年度の実績と合わせて文系専門課程学生に対する自然科学教育の在り方を検討する。
- 事業2では、数学や心理学等の分野において従来の枠を超えた新しい問題意識に基づく科目の開発を目指し、初年度はその内容の研究を進め、次年度以降に教科書の作成等を含めてその科目の立ち上げを目指す。
- 新しい実験テーマの開発を目指す事業3においては、初年度はまず従来の実験マニュアル の整理とデジタル化を図り、その成果をホームページ等で公開することを目指す。さらに、 本年度と次年度以降にわたって新しい実験テーマの開発とその成果を授業に取り入れ実施 する。これは科学と技術の進展に則して実験内容の更なる充実と向上を目指す事業である。
- 本取組の成果をホームページ等を通して適宜他大学に発信する事業を展開する。
これらの4事業を通じて、本学の基本的な教育理念であるである「文系学生に対する自然科学 重視」の教育の更なる充実を図り、自然科学の深い素養を身に付けた文系学生の育成を図ること が、本事業の内容である。
事業から期待される成果 †
本事業から得られる具体的な成果は、以下のとおりである。
- 事業1の実施により、現在文系4学部(文・経済・法・商)で独自に検討されている文系専門課程の学生を対象とする自然科学教育のあり方に関する理念の明確化を図り、その実施内容の充実化と学生の新しい可能性を切り開くことができる。
- 事業2の実施により、生物学・化学・物理学等の自然科学および心理学・数学等の既存の講義・実験課目の枠を超えた、分野横断的な総合的な思考法を育成することを目指す新しい科目の立ち上げが可能となる。これは新しい思考法を身に付けた文系学生を育成する可能性を開くものである。
- 事業3により、科学と技術の進展に則した文系学生を対象とする新しい実験テーマの開発が図られ、その成果を学生実験の現場に取り入れることにより自然科学の意義に関してより深い理解を図ることが可能となる。
- 本取組の成果をホームページ等に載せることにより、文系・理系の枠を超えてより広範な素養を身に付けた学生を育成するための、具体的な教育内容とその実施体制を他の大学に発信することが出来る。
関連資料 †
添付ファイル: 取組の概要と事業計画.pdf 942件 [詳細] GPヒアリング用プレゼンテーション資料.pdf 882件 [詳細] 採択理由.pdf 806件 [詳細] 平成17年度申請書.pdf 962件 [詳細]
Last-modified: 2008-12-15 (月) 17:33:34 (105d)