* ガラスと水の中の光速度 [#g667bd6b]

#ref(step2.jpg,right,wrap,around,exif)

この実験では、遊動顕微鏡を用いて媒質中で屈折された光による像(虚像)を観察することにより、媒質の屈折率、媒質中の光速を求める。屈折現象の効果を定量的に測定できる、興味深い実験である。

#clear

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#contents
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** 概要 [#n3cabcb3]

光の速度は媒質によって変化する。そのため、ことなる媒質に光が入射したときは屈折が起こる。その性質は幾何光学によってよく理解できる。

光を厚さaの媒質に入射させ、底面から届く光を観察することを考える。このとき、入射面からみた底面の深さbは、屈折のためにaより浅く見える((日常生活では、水のきれいな川やプールに入ったときに、実際の深さより浅く見えることで実感できる))。比

#tex(center,n_{12}=\frac{a}{b})

は媒質2の媒質1に対する屈折率である。これを用いれば、媒質2における光速度は
#tex(center,c_{2}=\frac{c_1}{n_{12}})
と求められる。

aとbの値を測定するためには遊動顕微鏡を用いる。顕微鏡の筒はガイドにそって上下に移動できるようになっており、移動距離を目盛から読み取ることができる。屈折された虚像にピントを合わせることにより、bを決定できる。((aは実際の深さだから他の方法で測定が可能だが、aの測定にも誘導顕微鏡を用いる。))

媒質として、ガラスブロックと水を用いて、それぞれの屈折率を求める。

**特徴 [#rda74b10]

-遊動顕微鏡を使って、屈折による見かけの深さの減少を測定できる。

** 装置 [#if6bd97d]

★詳細については、[[実験マニュアル>#bf0be758]]を参照

|CENTER:ガラス、シャーレ、粉|CENTER:遊動顕微鏡|
|#ref(glass.jpg)|#ref(scope.jpg)|

** 実験の流れ [#d4cf339a]

★詳細については、[[実験マニュアル>#bf0be758]]を参照

|~画像|~手順|
|#ref(step1.jpg)|遊動顕微鏡を水平に設置する。|
|#ref(step2.jpg)|ガラスの底面の像や表面の印にピントを合わせる。|
|#ref(step3.jpg)|シャーレに水を入れて測定。|
|#ref(step4.jpg)|水面の高さを測定するために、粉をまく。|

**実施時の注意点 [#q32822d5]

-装置のセッティングができてしまえば、簡単な実験である。
-できる限りガタつきのない場所にユーイングの装置を置く。そうしないと余計に振動してしまう。
-おもりを操作した直後は、かなり振動するので、安定するまで待つ。
-水面に粉をまくときに、一カ所に集中してまくと、厚みができてしまう。薄く蒔くのがよい。



** 実験結果 [#s0f07f13]

|~測定量|~ガラスの屈折率|
|標本数|300|
|平均値|1.54|
|標準偏差|0.07|
&br;
#ref(kosokug.txt.gif,center)
&br;

|~測定量|~水の屈折率|
|標本数|300|
|平均値|1.36|
|標準偏差|0.11|
|文献値|1.33((20℃、ナトリウムD線に対する値))|
&br;


#ref(kosokuw.txt.gif,center)

** 実験マニュアル [#bf0be758]

//[[物理学実験/著作権について]]をご一読ください。

>ダウンロード: &aname(manual);&ref(ガラスと水の中の光速度.pdf);

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RIGHT:[[物理学実験/著作権について]]

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