ヒドラの飼育法 †
画像をクリックすると拡大表示されます。
はじめに †
ヒドラを比較的大量に飼育する方法を以下の項目に分けて記述する。1. ヒドラ飼育水の調製法、2. 餌となるアルテミア乾燥卵の孵化法、3. 餌(アルテミア幼生)の与え方、4. 飼育水の交換法。
材料 †
- チクビヒドラ(Hydra magnipapillata)または、エヒドラ(Pelmatohydra robusta)
- アルテミア(Artemia salina):塩湖産の節足動物である。その耐性卵(乾燥卵)は常温で長期保存でき、ペットショップなどで容易に入手できる。必要な時に簡単に孵化させることができるので、ヒドラの餌として使われている。
器具 †
- アルテミア飼育のためのシャーレ:直径30cm程度の底広の容器。
- ヒドラ飼育のためのシャーレ:直径30cm程度の底広の容器。
- ビーカー
- メスシリンダー
- pHメーター
- 駒込ピペット
- 茶こし
- 筆
手順 †
- ヒドラ飼育水の調製法
ヒドラ飼育水(注1)は、下記に示す4種類のストック溶液(溶液A, B, C, D)を使用前に混合し、蒸留水で1000倍になるように希釈するとよい。 - アルテミア乾燥卵の孵化法
- アルテミア幼生(餌)(注4)の与え方
- 飼育水の交換法
材料調整のポイントとトラブルシューティング †
- 注1:淡水産のヒドラ飼育水として、汲み置き水道水を用いた場合、原水の水質や配管素材によっては、銅や重金属のイオンが含まれるためうまく飼育できないことがある。メダカ飼育水で飼育できるという報告(参考文献1)があるので、薬剤を調達することが困難な場合は、ペットショップで販売されている重金属を含まない水質調整液でも代用できる。
- 注2:アルテミア幼生をうまく育てるためにはNaCl以外のミネラル分も必要であり、スーパーなどで入手可能な“天然塩”が望ましい。
- 注3:底広でない容器(ビーカーなど)を用いる場合は、エアーポンプで灌流し、乾燥卵が重ならないように留意する。
- 注4:当日孵化したアルテミア幼生を使用する。ただし、孵化後4℃で保存すれば、翌日まで使用可能である。
- 注5:孵化していない卵は沈み、孵化したアルテミア幼生は容器の中層を泳ぎ、孵化したあとの卵の殻は表面に浮いている。中層に光りを当て、効率よくアルテミア幼生を集める。
- 注6:なるべく細かい目の茶こしを使用する。
- 注7:毎日掃除する場合は、筆よりも指で剥がす方が良い。
- 注8:大量にヒドラを飼育する場合は、酸素を十分に取り入れることができるように飼育容器は、蓋を外す方が良い。
- 注9:投餌と飼育水の交換は、週に一度は行ったほうが良い。比較的大量のヒドラを準備する必要がある場合は、投餌と飼育水交換は、毎日行う。
印刷用PDFマニュアル †
Last-modified: 2009-03-04 (水) 10:54:50 (26d)