硫酸銅（�供砲旅臉� †
実験の紹介 †
実験の目的とねらい †
本実験では、無機合成の1つの例として銅粉末を硫酸銅に変換する。また、その収率を求め、出発物質と生成物の量的関係を確認する。
実験内容 †
銅粉末に濃硝酸を加えて青緑色の硝酸銅水溶液とした後、この溶液を水の入ったビーカー内に注ぎ、加熱する。これに飽和炭酸ナトリウム溶液を十分加え、塩基性炭酸銅の淡青色沈殿を生成させる。希硫酸にこの沈殿を溶解させ、さらに加熱濃縮して硫酸銅の結晶を析出させる。結晶の重量を測定し、収率を計算する。
実験上の注意 †
＜実験開始前の準備＞
[使用器具および試薬]
・ブフナーロート
・アスピレーター
・天秤、薬さじ、薬包紙
・50 mlメスシリンダー
・メスカップ（または2 ml駒込ピペット）
・温度計
・ペーパータオル、キムタオル
・ろ紙（ブフナーロート用）
・リトマス紙
・銅（粉末）
・0.75M H2SO4
・飽和炭酸ナトリウム水溶液
・濃硝酸
・氷
・電卓
・個人器具および机上試薬
＜実験開始時の注意＞
・濃硝酸を手につけると黄色くなってしまう。
・最後の溶液の濃縮に時間がかかるので、そこまで手際良く進めること。
・塩基性炭酸銅の沈殿を生成させるところで、炭酸ナトリウムによる中和が不充分だと、ろ液がブルーのままで沈殿が少なくなる。
＜失敗例＞
・濃縮中の蒸発皿に触れてひっくりかえしてしまった。（対処：駒込ピペットを使ってできるだけ液を回収し、ろ過してから濃縮を再開する）。
実験テーマの履歴など †
慶應義塾大学日吉キャンパスの文系学生を対象とする化学実験において、この実験テーマが開始されたのは1949年の新制大学（文、経、法、工学部）発足の翌年以降と推定されます。実験の内容は参考文献(1)に記載されています。なお、銅粉末に濃硝酸を加える過程で有毒な二酸化窒素が発生します。ドラフトを使って屋外に放出すれば安全ですが、しかしこれは酸性雨の原因にもなる気体ですので、環境を考える上で望ましい実験とはいえません。
参考文献
(1)「大学課程 一般化学」佐々木洋興、辻岡昭、膳昭之助、大矢徹 共著（オーム社、1968年）．無機合成実験 [実験10] p.273.
実験テキスト †
