*セッケンの合成 [#ieaec5ce]
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**実験風景 [#if4487e3]
(写真をクリックすると画像が大きくなります)
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**実験の紹介 [#y30ed274]
***実験の目的とねらい [#wc02537a]
人類は古くからセッケンを作り、利用してきた。そしてそれは油脂と密接な関係にある。セッケンは界面活性剤の一種であり、親水性と疎水性の両方の部位をもつ化合物である。セッケンの合成実験を通して、界面活性剤の構造と機能を学ぶ。
***実験内容 [#rc972ad7]
サラダ油とオルトケイ酸ナトリウムを使ってセッケンをつくる。また、セッケン水と合成洗剤水溶液にそれぞれ硬水やサラダ油を加えて、濁り具合などを比較する。
***実験上の注意 [#r2b9d2ae]
<実験開始前の準備>~
[使用器具および試薬]~
・ビーカー 200 ml~
・メスシリンダー~
・軍手~
・乳鉢~
・オルトけい酸ナトリウム(n水和物)5 g~
・サラダ油  20 ml~
・エタノール 4 ml~
・硬水  2 ml~
・合成洗剤(台所用)~
・pH試験紙またはpHメーター~
・[[個人器具>化学実験/個人器具]]および[[机上試薬>化学実験/机上試薬]]~

<実験開始時の注意>~
・アルコールは引火性なので、バーナーの横に放置してはならない。~
・やけどに注意。(熱いビーカーを持つときは軍手を使う)。~
・セッケンの合成に使用した200 mlビーカーは、底にガラス状の粉末が付着し、洗っても取れない。~

<失敗例>~
・オルトけい酸ナトリウム水溶液にサラダ油のエタノール溶液を加え終わってから、さらに加熱を続けるところで、ビーカーから吹きこぼれてしまった。(対策:常にガラス棒で撹拌していれば、吹きこぼれにくい。それでも沸とうが激しいようならば、バーナーをビーカーから遠ざけるなどして火加減を調節する)。~
・加熱を続けたところ、ビーカーの底にセッケンが固まってしまった。(対策:柔らかいクリーム状になったら、加熱を止める)。~

***実験テーマの履歴など [#r3c5d7c0]
 慶應義塾大学日吉キャンパスの文系学生を対象とする化学実験において、この実験テーマは2008年に開始されました。~
 この実験テーマを始めるに当たっては、文献(1,2)の内容をベースにしました。セッケンの合成は一般には水酸化ナトリウムを使って行われてきました。しかし、セッケンに未反応の水酸化ナトリウムが残ると使用上危険であるという問題がありました。オルトケイ酸ナトリウムは水酸化ナトリウムよりも塩基性が弱く,またセッケンを固化させる作用ももつため、簡便にセッケンを合成できるという利点があります。~
 ただし、生成したセッケンがビーカーの底に固まってしまい、水で洗ってもとれなくなるということがしばしば起こります。このようなときは、熱いお湯につけるとセッケンがとれやすくなります。なお、ガラス状の粉末がビーカーの底に付着してしまいますが、それは洗ってもとれません。


参考文献~
(1)酒巻弘ほか「オルトケイ酸ナトリウムとアルコールを用いる固形セッケンの合成」化学と教育、40巻544-545. (1992年).~
(2)小松寛「セッケン作りを極めてみよう!」化学だいすきクラブニュースレター、No. 2、6-7(2007年).(化学と工業、60巻4号に付録として綴じ込み).~

**実験テキスト [#obf80fc0]
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