*グリシナト銅（�供砲旅臉� [#ladd820d]
#contents
**実験の紹介 [#m2832ec5]
***実験の目的とねらい [#y5f77ed7]
金属イオンは比較的小さい分子やイオンと結合して、１つの安定した集合体を形成する。これを金属錯体（あるいは単に錯体）といい、金属イオンに結合した分子やイオンを配位子という。アミノ酸も配位子として働くので、最も簡単なアミノ酸であるグリシンを例にとり、銅（�供忘�体を合成する。このグリシナト銅（�供砲砲魯轡溝里肇肇薀鵐溝里瞭鷦鑪爐隆�何異性体が可能であり、それらが合成のどの段階で得られるのかも興味深い。（ただし、最終的にシス体は生成するが、トランス体の生成は不明瞭である）。
***実験内容 [#v981c5f3]
合成はすべて60℃の湯浴中で行う。まず、硫酸銅５水和物を水に溶解しアンモニア水を加えて深青色の溶液とした後、さらに水酸化ナトリウム水溶液を加えて水酸化銅の青白色沈殿を生成させる。この沈殿をグリシン水溶液に加えて約10分間かき混ぜ、さらに10分間放置する。このろ液を放冷後、メタノールを加えてから氷冷し、グリシナト銅（�供砲侶訃修鮴禄个気擦襦�
***実験上の注意 [#k475827e]
＜実験開始前の準備＞~
[使用器具および試薬]~
・アスピレーター~
・吸引ビン~
・ウォーターバススターラー~
・ルーペ~
・ろ紙~
・グリシン~
・6M アンモニア水~
・1.5M 水酸化ナトリウム~
・硫酸銅5水和物~
・[[個人器具>化学実験/個人器具]]および[[机上試薬>化学実験/机上試薬]]~
＜実験開始時の注意＞~
・ウォーターバススターラー内の水は、あらかじめ実験前に60℃に設定しておく。~
・6Mアンモニア水は調製直後のものであれば、5〜6ml程度の量で全体が溶けて深青色の均一な溶液となる。（調整後に数ヶ月以上経過していると、濃度が低くなっている可能性がある）。~
・グリシン水溶液は湯浴中で調整後にそのまま保温しておき、湯浴中で水酸化銅（�供砲猟静造鯑�れて溶かすこと。（室温で溶かしてはだめ）。~
・トランス体の結晶は生成しにくい。~
・水酸化銅Cu(OH)&subsc{2};は濃いアルカリ条件では[Cu(OH)&subsc{4};]&super{2-};となって溶解するので、3Mではなく1.5M NaOHを用いる。~
・水酸化銅の沈殿が出ないときには1.5M NaOHを追加する。~
・1回目の吸引ろ過で、水酸化銅を一点に集中させて盛りこむようにする。~
・グリシナト銅の結晶は（吸引ろ過時に）水で洗わないこと。（水に溶けてしまうため）。~
・ビーカーの洗浄の際に青色（水酸化銅）が落ちない場合、硝酸を1，2滴つけると取れる。~
＜失敗例＞~
・反応液に1.5M NaOHを指定された量だけ入れ、吸引ろ過したが水酸化銅がほとんど得られなかった。（理由：NaOHの濃度が1.5Mのはずが、実際はもっと薄かったなどの可能性がある。NaOHを沈殿ができるまで追加すべきであった）。~
***実験テーマの履歴など [#cb8e7e8f]
慶應義塾大学日吉キャンパスの文系学生を対象とする化学実験において、この実験テーマは2004年に開始されました。実験内容は、図書（1,2）をベースにしています。
参考文献~
(1)「化学実験」名古屋工業大学化学教室編(学術図書出版1990年)．遷移金属錯体の合成、pp.48-51.~
(2)「楽しい化学の実験室」日本化学会編(東京化学同人1993年)．アミノ酸の分離・分析と錯体合成、pp.77-86.
**実験テキスト [#f5ffa0b3]
&ref(グリシナト銅の合成.pdf);
&ref(06.グリシナト銅_II_の合成.pdf);
