身近な錯覚について学ぶ:遠近法錯視
遠近法錯視を題材にして、日常場面における錯視を測定する。
目的
- ポンゾ錯視を用いて、日常風景における錯視を測定する。
- Gillamの変形ミュラー・リアー錯視を用いて、Gregoryの遠近法仮説を検証する。
方法
概要
- 実験者、実験参加者、測定者、記録者の4人で1グループとする。
- それぞれが一通りの役割を体験する。
用具
- iPad、iPadスタンド
- Adobe Illustrator CS4の入ったPC、マウス
- 物差し
- 記録用紙
手続き
1.実験条件
- ポンゾ図形写真条件、ポンゾ図形線画条件、ミュラー・リヤー図形条件の3種類(3ブロック)
- それぞれに提示位置の条件が2種類ずつあるので、計6条件
- 各位置条件につき、上昇系列2試行、下降系列2試行を実施する(計24試行)
※実験条件の割り当て方
-
1人の被験者が1ブロック(計8試行)を経験したら役割を交代する
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その際、条件(ブロック)を変え、条件間でなるべく均等にデータが取れるように工夫する
-
役割が1順したら、1順目とは異なる条件で2順目を実施する
2.役割
【実験者の役割】
- 実験参加者への教示、図形の提示
- iPadを操作し、実験参加者に検査刺激を提示する
- PCを操作し、実験参加者にマッチング刺激を提示する
※教示の例:
これからいくつかの図形を観察してもらいます。あなたの課題は、図中の水平線分と同じ長さに見える線分をパソコン上で作成することです。観察および図の作成中はなるべく前後に頭を動かさないようにしてください。
【実験参加者】
- 図形の観察、調整法によるマッチング
- 提示された検査刺激とマッチング刺激を比較し、両者が同じ長さに見えるようにマッチング刺激を調整する
【測定者の役割】
- 観察距離を測定する(60cm)
- 実験参加者が調整したマッチング刺激の長さを物差しで測定する
- 結果を記録者に報告する
【記録者の役割】
- 測定者の報告した結果を記録用紙に記入する
結果の処理法
- 個人のデータについて、条件ごとに錯視量を求める。
- グループ内で各条件の錯視量を平均する。
考察
- ポンゾ図形の写真条件と線画条件とで結果はどのように異なったか。そこから何が言えるか。
- ミュラー・リアー図形条件の結果から、Gregoryの遠近法説について何が言えるか。