物理量と心理量の対応関係について学ぶ―ウェーバー・フェヒナー法則―
重さの弁別閾を測定し、Weber法則を確認する。
目的
- 恒常法によって重さの弁別閾を測定する。
- 「相対弁別閾は一定」というWeberの法則を確認する。
方法
概要
- 実験者、記録者、実験参加者の3人で1グループとする。
- それぞれが一通りの役割を体験する。
用具
- 重り(A系列)
・標準刺激:50g
・比較刺激:50g、52g、54g、56g、58g
- 重り(B系列)
・標準刺激;100g
・100g、103g、106g、109g、112g
- 乱数カード
- アイマスク
- 記録用紙
手続き
1.刺激提示法
- 標準刺激→比較刺激の順の提示を「第1時間順位」と呼ぶ。
- 比較刺激→標準刺激の順の提示を「第2時間順位」と呼ぶ。
- 種類の比較刺激があるので、1系列について10種類の組み合わせがある。
2.役割
【実験者の役割】
- 記録者に提示された乱数カードに従って重りを提示する。
- 実験参加者に以下の教示を与える。
・アイマスクをして、第1の重さに対する第2の重さについて比較判断をする。
・手首を軽く机につけ、重りのつまみを親指と人差し指でつまんで数cmの高さまで1度だけ挙げ、すぐに下ろす。
・第2の重りも同様に持ち上げ、重さの判断を行う。
・判断は第2の重りを持ち上げた瞬間に行う。
・重さがわからない場合でも、何回も持ち上げたり、振ったり、持ち続けたりしてはいけない。
・持ち上げたらすぐに重さを判断できるように数回練習してから本実験に入る。
【実験参加者の役割】
- 実験者の教示に従い、重さの判断を行う。
- 判断は3件法による。第2の方が第1よりも「重い」、「わからない」、「軽い」のいずれかで回答する。
【記録者の役割】
- 実験者に次の試行で提示する重りが書かれた乱数カードを示す。事前によくシャッフルしておく。
- 実験参加者の判断を記録する。「重い」の判断を「+」、「わからない」を「?」、「軽い」を「-」とする。
結果の処理法
- 個人のデータを系列ごとに整理する。
(1)第2時間順位のデータは「+」「-」を反転する。
(2)各比較刺激に対する「+」反応の出現頻度を求める。
- 全員のデータを集計する。
(1)各比較刺激に対する「+」反応の出現頻度を集計し、出現確率を求める。
(2)正規確率グラフにデータをプロットする。横軸は比較刺激の重さ(g)。
(3)1σに相当する値を弁別閾値と定義する。
考察
- 標準刺激(系列)の違いによる弁別閾値の違いはあったか。
- 恒常法の長所と短所について。
- Weberの見出した「相対弁別閾は一定」という法則から、いかにしてFechnerは主観のものさしを作ろうとしたか。