電流と熱
物体に電流を流したとき,熱が発生することを確かめ,発生したジュール熱によって水の比熱を算出する。
電流と熱
電力は、われわれが日常的に使用する身近なエネルギー源である。その用途は様々であるが、熱源としても、暖房器具、調理器具などに使用されている。
この実験では、電源とコイルを用いた簡単な装置で熱を発生させる。さらに、エネルギー保存則を用いて、水の比熱を求める。
概要
電線に電流を流すと熱が発生することはよく知られている。ある抵抗持った電線に電圧Vを加え、電流Iをt秒間流したときに生じる電気的エネルギーWは
である。このエネルギーは、導体(電線)内電子のミクロな振る舞いにより、熱エネルギーに変換される。この熱のことをジュール熱という。
電線をある物体(本実験の場合は水)に接触させておくと、物体の温度は上昇する。物体の質量をM、比熱をC、温度上昇をΔTとすると、エネルギー保存則は
である。この式から、物体の比熱Cを決定することができる。
実際の装置では、直流電源にニクロム線を接続し、発熱箇所を水に浸すことにより水と容器の温度を上昇させる。温度上昇を測定することにより、比熱を決定する。
装置
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詳細については、実験マニュアルを参照
(lightboxで画像ウインドウが開きます)![]() 熱量計と温度計 |
(lightboxで画像ウインドウが開きます)![]() 電流計と電圧計 |
(lightboxで画像ウインドウが開きます)![]() スライド抵抗器 |
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特徴
- 水の入っている容器を断熱材で囲むことにより、外部との熱の出入りを抑えている。
- 電気エネルギーが熱に変わる様子を体感できる。
実験の流れ
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詳細については、実験マニュアルを参照
画像 | 手順 |
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(lightboxで画像ウインドウが開きます)![]() |
装置の配線をする。熱量計に水を入れる。 |
(lightboxで画像ウインドウが開きます)![]() |
装置の配線をする。熱量計に水を入れる。 |
実施時の注意点
水をかきまぜる作業は重要で、これを行わないと水の温度が均一に保たれない。退屈な作業であるが、しっかり行うように指導する。
実験結果について
測定量 | 水の比熱 |
---|---|
標本数 |
300 |
平均値 |
4.31 [J/gK] |
標準偏差 |
0.31 [J/gK] |
文献値 |
4.18 [J/gK] |
実験マニュアル
- 電流と熱.pdf
(602KB)