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空気の振動と音速

ガラス棒を摩擦して伸縮の振動を起こし,ガラス管の中の空気に,ガラス棒と同じ振動数の定常波を起こし,節に集まるガラス中の粉の間隔から,空気中の音速を求める。

クント管の実験は、音が空気の振動という物理現象であることを直感的に示す実験である。音を発生させることによって、定常波の節に粉がきれいに集まる様子は感動的である。しかも、見て楽しいだけではなく、定量的にも数%の誤差の範囲内で音速を求めることができるので、学生実験として好適である。

概要

クントの実験は、ガラス棒の振動を空気柱に伝えることにより定常波を発生させ、その波長から音速を求める巧妙な実験法である。

アルコールで湿らせた紙でガラス棒を摩擦すると音が発生する。その振動数fはガラス棒の長さとヤング率から求めることができる。発生した音波がガラス管内で定常波を生じさせた結果、ガラス管内に入れた粉は定常波の節に集まる。この粉の間隔から定常波の波長λAが求まる。これらから、ガラス管内の空気の音速は

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と求められる。

空気中の音速は温度t(摂氏)に比例することが知られている:

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室温からこの値を求めて、クントの実験の結果と比較することができる。

特徴

定常波の節の部分に粉が集まる様子は大変印象深く、学生に人気のある実験である。
電気や熱源などを全く用いない、安全な実験である。

実験の流れ

詳細については、実験マニュアルを参照

クント管内での粉の揃え方と測定方法

実施時の注意点

粉のパターンを綺麗に出すには、ガラス棒のこすり方にある程度の熟練が必要である。指導者は前もって練習しておくことが望ましい。学生が困っているようであれば、必要に応じてコツを教えるとよい。
ガラス棒を管に入れる長さを、定常波が出やすい長さに合わせると綺麗なパターンを出しやすい。
経験的に、数回実験を繰り返した場合、初回に良い結果が出る、すなわち、粉が細い幅に集中して集まることが多い。なるべく最初の測定ですませるようにする。
測定量

vA/vA'

標本数

300

平均値

1.01

標準偏差

0.07

ガラス管の温度は室温とほぼ同じと考えられる。温度の異なる環境で得られた音速を集計しても意味がないので、概要で述べた音速の比vA/vA'を集計した。この値は温度に依存しないので、異なる実験間での比較に意味がある。

実験マニュアル

空気の振動と音速 pdf (311KB)

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