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重力加速度

単振子の周期を測定して重力加速度を求める。

振り子による重力加速度の実験は、定量的な精密科学としての古典物理学を実感するのに適した題材である。振り子の等時性が素晴らしい精度で確かめられ、重力加速度の値も誤差1%の範囲内で求めることができる。文系学生にも実験が行いやすいよう、可能なかぎり簡素な実験になっている。

概要

地表にある物体に働く重力によって生ずる加速度を、重力加速度という。ニュートンの運動方程式は、加速度-運動の様子を表す-と力の関係式であるから、地表で重力以外の影響を受けずに運動する物体の運動を観測することにより、重力加速度を決定できる。

糸の先におもり*1をつりさげた単純な単振り子を考える。振幅が小さいときには、振り子の長さL、周期T、重力加速度gの間に

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の関係が成り立つ。この実験では、単振り子の周期を測定することにより、重力加速度を決定する。

特徴

振り子の支持部はナイフエッジを用いたデリケートなものではなく、単に糸の末端を木製の板に固定した単純なものである。精度はやや損なわれるが、装置の設置、取り扱いがより簡単である。
以前は振り子の動きを望遠鏡で観測して周期を測定していたが、振り子が視野内を横切るのが一瞬であるため、周期の取りこぼしが起こりやすかった。現在は望遠鏡を使用せず直視で行っているため、振り子のタイミングが取りやすくなっている。直視での誤差は、望遠鏡を使用した場合とそう大差ないようである。

装置

詳細については、実験マニュアルを参照

ストップウォッチとメジャー

振り子

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実験の流れ

詳細については、実験マニュアルを参照

画像

手順

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振り子を設置する。

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黒板に垂直に線を引く。

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振り子を揺らしてストップウォッチで周期を測定する。

実施時の注意点

振り子を設置する際に糸が支持用の台に触れないように注意する。はじめに振り子を揺らして台に触れないことを確認すべきである。
振り子の長さを測る際、スチール製のメジャーを用いているので非常に測定がしづらい。数回測定させて、うまくできるようになったらさらに数回測定し、平均値をとるとよい。
周期の数え間違いは最終結果の精度に大きく影響する。間違いをみつけたら学生にもう一度測定させるとよい。
振り子は重く固いので、他の物にぶつけないよう安全面に気をつける。おもりをぶらさげたまま振り子を移動することのないよう注意する。
測定量

重力加速度

標本数

300

平均値

9.800 [m/s2]

標準偏差

0.108 [m/s2]

文献値

9.798 [m/s2]*2

実験マニュアル

重力加速度 pdf (94KB)


*1 質点と考える。慣性モーメントは考慮しない。
*2 「理科年表」の「東京大学化学館地下原点室におけるgの値」を用いた

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