* 電流と熱 [#i757956a]


#ref(denryu-1.jpg,right,wrap,around,nolink)

電力は、われわれが日常的に使用する身近なエネルギー源である。その用途は様々であるが、熱源としても、暖房器具、調理器具などに使用されている。

この実験では、電源とコイルを用いた簡単な装置で熱を発生させる。さらに、エネルギー保存則を用いて、水の比熱を求める。


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** 概要 [#f746c6fa]

電線に電流を流すと熱が発生することはよく知られている。ある抵抗持った電線に電圧Vを加え、電流Iをt秒間流したときに生じる電気的エネルギーWは

#tex(center,"W=IVt")

である。このエネルギーは、導体(電線)内電子のミクロな振る舞いにより、熱エネルギーに変換される。この熱のことをジュール熱という。

電線をある物体(本実験の場合は水)に接触させておくと、物体の温度は上昇する。物体の質量をM、比熱をC、温度上昇をΔTとすると、エネルギー保存則は

#tex(center,"IVt = M C \Delta T")

である。この式から、物体の比熱Cを決定することができる。

実際の装置では、直流電源にニクロム線を接続し、発熱箇所を水に浸すことにより水と容器の温度を上昇させる。温度上昇を測定することにより、比熱を決定する。

** 装置 [#gc609ecf]

- 詳細については、[[実験マニュアル>#manual]]を参照

|CENTER:熱量計と温度計&br;&ref(box.jpg,nolink);|CENTER:電流計と電圧計&br;&ref(meters.jpg,nolink);|
|CENTER:スライド抵抗器&br;&ref(slide.jpg,nolink);||

**特徴 [#bfaab784]

-水の入っている容器を断熱材で囲むことにより、外部との熱の出入りを抑えている。
-電気エネルギーが熱に変わる様子を体感できる。


** 実験の流れ [#g60d532d]

- 詳細については、[[実験マニュアル>#manual]]を参照

|~画像|~手順|
|#ref(step1.jpg,nolink)|装置の配線をする。熱量計に水を入れる。|
|#ref(step2.jpg,nolink)|電流を流したまま温度を上昇させ、電流、電圧、温度、時刻を記録していく。水をかきまぜながら行う。|

**実施時の注意点 [#h93c4184]

-水をかきまぜる作業は重要で、これを行わないと水の温度が均一に保たれない。退屈な作業であるが、しっかり行うように指導する。

** 実験結果について [#fa106df9]

-[[物理学実験/データの集計について]]


|~測定量|~水の比熱|
|標本数|300|
|平均値|4.31 [J/gK]|
|標準偏差|0.31 [J/gK]|
|文献値| 4.18 [J/gK] ((20℃付近での値))|

&br;

#ref(denryu.txt.gif,center)

** 実験マニュアル [#o8cfe647]

[[物理学実験/著作権について]]をご一読ください。
>ダウンロード: &ref(電流と熱.pdf);

>ダウンロード: &aname(manual);&ref(denryu.pdf);

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RIGHT:[[物理学実験/著作権について]]

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